この記事はこんな方にオススメです!💁
- 施工管理(ゼネコン)へ就職を考えている学生
- 施工管理(ゼネコン)へ転職を考えている人
- 現場監督の仕事が気になっている人
- 同業者がどんな仕事・流れをしているか知りたい人
- 業務におけるポイントやコツが知りたい人
「現場監督って、毎日どんな仕事をしているの?」
「残業も多くて、休みも少ないんでしょ?」
そう思ったことはありませんか?
本記事では、以下のようなことがわかります。
- 現場監督の仕事内容
- 1日のスケジュール
- 現場監督のリアル
- 業務をこなす上でのポイント・コツ
3K(きつい・汚い・危険)と言われ続けてきた施工管理ですが、それもすこしずつ改善されつつあります。
また、現場が少しずつ形になっていく過程を間近で見られるのは、この職種ならではの魅力です。それが地図に残りますからやりがいとしては、申し分ないです。
本記事では、筆者の経験をもとに現場監督のリアルを紹介します。
朝礼から退勤まで、どんな動きがあり、どんな判断をしているのか。
現場の空気感とともに、施工管理という仕事の“本当の姿”をお伝えします。
朝は現場から始まる — 出勤から朝礼まで(7:00〜8:30)
出勤・現場準備
現場監督の1日は、朝の出勤から始まります。
多くの方は7時前後に事務所へ入り、まずはメールや工程表を確認。

私は朝が苦手なので7:30〜7:40くらいに出勤することがほとんどです、、、
準備は前日やる!段取り8割!って感じです😅
朝礼の準備、午前中にやるべきことの整理、測量の準備等を行います。
朝礼の司会は若手がやることが多いです。
その日の作業を想像して、
- 周知すべき安全注意事項を考えたり、
- 今後の工程・行事予定等を想像して対応すべき事項
を発表できるようにします。
いざ、現場に移動!——
移動したら、まずは各職長と
- 作業人員の確認をし、
- 前日打ち合わせが不足している箇所の確認や
- 当日の作業の手順等の確認をし、
- 重機の配置や搬入出の予定等の作業間の調整
を行います。

作業を工程通り進めるためには、重機の稼働予定や他業者との作業範囲が重ならないよう、頭の中で“現場の地図”を組み立てるのがかなり重要です。
ここで段取りを誤ると、1日の流れ全体に影響するため、集中力が求められます。
パソコンの前で静かに始まる1日も、現場が動き出せば一瞬で慌ただしくなる。
「今日も無事に終わるか——」そんな思いでヘルメットをかぶる。
朝礼・KY活動
8:00になったら現場監督の『体操始めまーす!』の一声からラジオ体操が始まり、その後に朝礼を行います。
朝礼当番の役割は以下です。
- 各業者に作業の内容・注意事項等を順に発表してもらう。
- 必要に応じて当日及び翌日以降の天候の周知をする。
- 当日の搬入出の周知をする。
- 全体的な安全注意事項や周知事項を発表する。

大人数の前で声を張り出して話すのは何度やっても緊張しますね。慣れが必要です😅
朝礼が終われば、各業者に別れてKY活動(危険予知活動)を行います。
ここでは、職長が指揮を取り、各業者の具体的な作業内容とその注意事項等を指示します。
現場監督もKY活動に参加し、追加で注意事項や他業者の作業内容を共有し、労働災害が起こらないように注意喚起します。
たかがKY、されどKYです。ここで、みんなが同じ認識を持てていることが労働災害を防ぐことにつながります。
朝礼が始まるころには、空気が一気に引き締まる。
この瞬間から、現場の1日が本格的に動き出す。
午前中は現場を走り回る — 品質と安全の確認(8:30〜12:00)
現場巡視
KY活動が終わると、いよいよ現場が本格的に動き出します。
重機のエンジン音、足場を組む音、鉄筋を組む音、資材を運ぶトラックの出入り。
現場監督はまず、各作業班の位置や進捗、安全性を確認しながら現場を巡視します。
巡視では、
- 作業内容が図面や工程通りに進んでいるかをチェック。
- 型枠や鉄筋の寸法、安全帯の使用状況など、細かい部分まで目を配る。
- もし危険箇所や段取りのズレを見つけたら、その場で職長に声をかけ、すぐに修正させる。
安全第一。
「たとえ5分作業が遅れても、1件の事故を防げるならそのほうがいい。」
そう思います。
また、現場って、人の動きで変わるんですよね。
巡回中や一服中に職長だけでなく作業員の方と上手くコミュニケーションを取れるかも、現場をスムーズに進めるうえで欠かせないスキルです。
現場監督の言葉ひとつで、作業の雰囲気もスピードも変わります。
たとえば、
- いつも険しい顔で指示ばかり出す監督と
- 冗談を交えながら笑顔で話し、やるべきことはきちんと伝える監督
同じ急な依頼を受けたとして、どちらの言葉なら「よし、やろう」と思えるでしょうか。
答えは明白ですよね。
実際に、人間関係の構築が上手い先輩が、
「◯◯くんからお願いされてなかったら、引き受けてないよ。」と言われているところを目撃したことがあります。
信頼を積み重ねることが、現場を動かす一番の近道です。
調整と対応
施工管理の仕事は、“調整力”が試される場面の連続です。協力会社との打合せや資材搬入の確認など、現場を回すための調整が続きます。
鉄筋・型枠・設備など、複数の作業が並行して進むため、誰がどこで作業するのかを常に整理しなければなりません。

ここで、監督の“段取り力”が問われます。
たとえば、
・「午前中に配筋が終われば、午後に型枠が入れる」
・「コンクリート打設を前倒しできれば、工程が1日早まる」
そんな判断を現場の状況を見ながら瞬時に行います。とはいえ、現場では想定外のことが起きるのが日常。
機械トラブルや材料の遅れ、天候の急変——。
そのたびに、他業者や職長と相談しながら代替案を立て、作業を止めないよう動きます。
また、13時から作業間連絡調整会議(いわゆる、昼の打ち合わせ)を行います。その準備も午前中に行います。
各職長に翌日の作業内容を入力してもらい(あるいは、用紙に記入してもらい)、打ち合わせ簿を作成します。さらに、それを確認し各業者の調整を行い、重機の配置等をあらかじめ確認しておきます。
現場は生き物。
計画どおり進む日なんて、むしろ珍しい。
それでも前に進めるのが、施工管理の仕事です。
昼休憩は貴重なリセット時間(12:00〜13:00)
昼休憩
午前中の巡回や調整を終えるころには、もう体も頭もフル回転。
ようやくお昼の時間になり、職人さんたちは休憩所や車の中で弁当を広げます。
現場監督もここで一息つきますが、実際は“半分仕事モード”のままなのが正直な所でしょう。
電話が鳴れば対応し、午後の段取りを確認しながら昼食をとることもあります。中には休憩時間は上司から声をかけられにくく仕事が捗るという人もいます。

私はオンオフ切り替えて、休めるときはしっかり休むタイプです😂
午後のこと、翌日以降のことで頭の中は回ったまま。
それでも、この時間のコーヒー1本が午後を支える。
午後の準備
昼休憩が終わる前には、前述した昼の打ち合わせの準備をします。
- 作業打ち合わせ簿
- 工程表
- 現場図面 等
また、状況に応じて「午後は雨が降りそうだから順序を変えよう」、「重機の位置を少し移動しておこう」など、午後からの作業効率を上げるための方法を考えたりもします。
午後のスタートをスムーズに切るためのこの10分間が、現場監督の“仕込み時間”とも言えます。
仕事のキリがつく時間じゃなく、“次の段取りが始まる時間”。
午後:作業の進捗確認と検査対応(13:00〜17:00)
進捗確認:再び稼働する
昼休憩が終わると、現場は再び慌ただしくなります。
午後は、引き続き作業終了に向けてやるべき作業を進めます。それと合わせて、翌日の作業を始めやすいように準備も進めていきます。
現場監督は各班の作業を再確認しながら、予定通り進んでいるかをチェックして回ります。
- 午前に立てた調整どおりに動いているか。
- 安全対策に抜けはないか。
- 次の日の準備を兼ねて材料の置き場を変更したり、進捗写真を撮ったりもします。
午後の現場はスピードも大切。
その中で「焦らず、止めず、流れを読む」のが監督の仕事。
検査・確認業務:図面と現場のすり合わせ
工事の進捗やできた構造物の確認などで、役所や発注者の検査が入ることもあります。いわゆる、『立会い』と呼ばれるものです。
現場監督は図面と現場を照らし合わせ、寸法・配筋・出来形などを確認し、写真を撮影。そして、検査の準備を行います。
一見地味に見えますが、この「確認」が現場の品質を支える大事な業務です。
検査者が来られたら、検査の内容を説明。そして、実際に検査を行います。

ここでは、『段取り8割』がかなり効いてきます。
もし図面と違う点を見つけたら、すぐに写真を撮って記録を残し、上司へ報告。
小さな判断ミスが後の手戻りにつながるため、慎重さと正確さが求められます。
一つのチェックが、後のトラブルを防ぐ。
「まあいいか」は、現場では通用しない。
チーム全体で動きを合わせる
午後は作業が集中するぶん、周囲との連携も大切になります。
慌てて作業をしない。輻輳するなか、安全第一で進める。
そんな時こそ、監督のコミュニケーション力が生きる時間です。
冗談を交えながらも、やるべきことはしっかり伝える。
「この人の指示なら間違いない」と思ってもらえる関係づくりが、午後の現場を支えます。
内容によっては、早めに作業が落ち着くことも。
けれど監督の頭の中では、もう“明日の段取り”が始まっている。
夕方〜退勤:書類作成と翌日の準備(17:00〜19:00)
作業終了後:現場の片付けと最終確認
17時になると、職人さんたちが片付けを始めます。
現場監督はそのタイミングで現場を一周し、安全確認と出来形のチェックを行います。
足場の状態、資材の置き場、重機のキーが抜かれているかなど、細かい部分まで目を通します。
小さなミスでも翌日の作業に支障が出るため、最後まで気を抜けません。現場が静かになってから、ようやく“今日も無事に終わったな”と少しだけ安堵します。
日中は動きっぱなし。
最後まで気が抜けない現場もきれいな夕焼けとともに終了を迎える。
事務所での業務:日報・写真整理・書類作成・翌日の段取り
現場を見終えると、事務所に戻って事務作業へ。
日報の作成、写真整理、提出書類の作成、翌日の作業手順の見直し、必要が終われば打ち合わせも
――。

日中に進めたくてもなかなか上手くできず残業になってしまうのが正直なところです。遅い日は22時〜0時まで残ることも、、、
一見デスクワークですが、ここにも「現場を止めないための準備」が詰まっています。
とくに翌日の天気や工程の確認は欠かせません。
「明日はコンクリート打設だけど、雨が降りそう」「搬入の時間を少し早めよう」など、夜のうちに調整しておくことで、翌朝の混乱を防ぎます。
また、先を見越して必要な書類を作成したり、その日のまとめをしたりと、やることは猫の手も借りたいほどあります。
机に向かうころには外は真っ暗。
今日の現場を振り返りながら、頭の中ではもう“明日”を動かしている。
退勤:仕事が終わっても、気持ちはまだ現場に
業務を終えてようやく退勤。
とはいえ、頭の中には「明日の段取り」「天気」「資機材の手配」などが残ったままです。

完全にスイッチを切るのはなかなか難しいです。
それでも、現場が無事故で終わった日の夜は、やっぱりホッとする。
帰ってビールを一口。これが美味いっ!🍺
施工管理の仕事は、現場が動いていない時間にも続いている。
でも、その責任の重さが、やりがいにもなる。
まとめ:現場監督の1日は、止まらない
現場監督の1日は、朝早くから夜に至るまでやることは盛り沢山です。
もちろん、本記事で紹介させていただいたこと以外にも、測量や写真管理、打ち合わせや会議など、キリがないほど仕事はあります。
午前・午後で分けて紹介させていただきましたが、目まぐるしく回る現場ですから、日によって業務の順序や内容は変わってきます。
ただ、それはこの仕事の良い点だと思います。
毎日同じことを繰り返すのではなく、その状況に合わせた行動をしていきますので、飽きないし、終わるときの達成感は大きいものです。
常に動きながら考え、トラブルを防ぎ、人と人をつなぐ。
そして、現場を支える“軸”としての仕事がここにあります。
予定どおりに進まないことも多々あります。
でも、仲間や職人さん・協力業者の方と声をかけ合い、段取りを立て直し、また前へ進む。
その繰り返しが、建物や構造物という“形”に変わっていく。
かなり魅力のある仕事だと思います。
「できた!」「やりとげた!」という瞬間瞬間がたくさんある。
それが現場監督にとってのやりがいです。
